ブラックとルーピンとによる、ハリーの猛特訓はとても厳しかった。
グリフィンドールのキャプテン、オリバー・ウッドのシゴキとは比べ物にならないほど、神経を集中させていなければならない。
ハリーは筋こそ良いが、まだまだ反射神経が鍛えられていないので、今回はそれが課題となった。

「ちょっと休憩しましょう!」

「そんだな、みんなも疲れただろうし、俺も喉が渇いた。」

「じゃあ、庭で待ってて。レモネードを作るから。」

ハリー、ロン、ブラック、ルーピンは庭の芝生に寝転がって、を待った。ハーマイオニーはの手伝いをしているようだ。







ハリーはニヤニヤしながらブラックに尋ねる。

「ねえ、シリウス。学生時代のさんて、かわいかった?」

「そりゃあもう!!」

ブラックは大声で言った後、家の中を窺いながら、に気付かれないようにコソコソと話した。

「今は、美人だろ?でも、学生の時はカワイイ感じでなぁ!よく笑ったし、話も上手かったし・・・・・ずっと憧れてたな。」

さんの写真・・・・シャワールームのも、持ってたの?」

ロンが興味深そうに聞いた。

「持ってた!には内緒だぞ?
後姿の写真でな、横チチが・・・・こうプルッとするんだよ!
ケツがキュッと上がってて、腰なんか掴んだら折れちまうくらい細くて、太ももの間のミステリアスなトライアングルが堪んなかったなぁ〜!」

「僕も、シリウスに内緒で見たことあるよ!本当によく撮れてたよね〜あの写真。」

「何ッ?!見たのか?俺の小遣い全部はたいて買った写真!!」

「だって僕もに興味あったんだもん!それは知ってるでしょ?」

「知ってるが、見るときは断れ!!!」

「言ったって見せてくれないでしょ?だから内緒で見たの。」

「残念だなぁ〜、僕も見てみたかった!」

ロンが悔しそうに空を見上げた。

「・・・・・・・・・・・・・・・・実はまだ持ってる!」

「ホントッ?!」

ハリー、ロンは飛び上がってブラックに詰め寄る。

「あぁ、俺の部屋の金庫に厳重に保管してある!
ハリー、ロン。お前たちを男と見込んで、今度持ってきてやるよ!」

「ワオッ!!」

「シリウス最高!!」









「なんだか楽しそうね?」

とハーマイオニーがグラスに入ったレモネードを持ってきた。

「あっ、あぁ、ジェームズの話をしてた。」

「そうなの?はい、シリウス。」

はブラックにグラスを手渡す。
なんだか、ブラックのレモネードだけ黄色が少し強いようだが・・・・・

「サンキュ!」

みんなにグラスが行き渡ったところで、シリウスは気にせずレモネードを飲み干した。
冷たく甘酸っぱいレモネードはみんなの疲れた身体を癒してくれる。










コトン

シリウスがグラスを芝生に落とした。
何だか少し震えているようだ。

ッ・・・・お前・・・・・?」

「嘘吐きは泥棒の始まり!
シリウス、あなた写真は全部捨てたなんて嘘だったのね?まったく、正直に言えばこんなことしなかったのに。」

「きいて・・・・・たのか・・・・?!」

「聞いてたも何も、聞こえるような声で喋ってるのがいけないんでしょ?
弱い痺れ薬だから、10分も経てば効果が切れるわ。その間、私の擽りに耐えていただきましょうか・・・・・・・」

「やっ・・・・やめろっ・・・・・」

「シリウスは昔から擽りに弱かったのよね〜!」

は悪魔のような微笑でブラックの脇をいじくる。

「ひぃっ・・・・・・おい、リーマス・・・・・たすけてくれ・・・・・・」

「残念だけど、には逆らえないよ。」

痺れて動けない身体に、は容赦なく攻撃する。

「やめろっ・・・・・すまな、かった・・・・・ゆるし・・・て・・・・・・!!!」

はブラックの言葉を無視し、きっかり10分間、拷問を続けた。







そのあともハリーの特訓は夕方まで続き、ハリーは夕食の後ベッドで死んだように眠った。ハリーの特訓に付き合っていたロンとハーマイオニーも相当疲れたのだろう、ハリーがベッドに入って間もなくウツラウツラしながら二階へ上がった。

「今日はありがとう。三人とも喜んでたわ!」

はウイスキーの瓶とグラスをテーブルに運びながら言った。

「僕らも楽しかったよ!学生時代を思い出したね、シリウス。」

「痺れ薬を盛られなけりゃ、もっとよかったぜ。」

「あれはあなたがいけないんでしょ?」

はウイスキーをグラスに注ぎながら言った。







ブラックはグラスを一気に空にするとに問いかける。

「・・・・・・・・・なあ、幸せか?」

はいきなりの質問に面食らったが、すぐに満面の笑みで答えた。

「えぇ、とっても幸せよ!
強情で偏屈な可愛い旦那様と、ハンサムで優しい友人と、元気な小さいお友達に支えられて楽しい毎日だわ!」

「・・・・・・・・・そうか、よかった。」

ブラックは何か言いたそうだったが、それを飲み込み席を立つ。

「そろそろ行くか、リーマス。」

「そうだね。」

「また来て頂戴。私、ものすごく暇なのよ。」

「あんまり頻繁にお邪魔すると、セブルスに殺されちゃいそうだからな〜!」

「フフッ、大丈夫よ。私が言っておくわ。」

は二人を玄関まで見送り、そっと頬に口付けた。

「今日は本当にありがとう、私も楽しかったわ!」

箒に跨った二人が見えなくなるまでは見送った。

「まだ、への思いは捨て切れてないな、俺たち。」

「同感。」

二人は眉を下げ、情けなく笑うとそれぞれの家路についた。










夏期休暇の終わりまであと一日。
明日はダイアゴン横丁に学用品の買い物をして、漏れ鍋に宿泊する予定なので、今日がこの家での最後の夕食だった。
最後とあって、とても豪華なメニューだった。が腕を振るってホグワーツに負けないくらいのご馳走を沢山作ってくれたのだ。
ハリー、ロン、ハーマイオニーは目を輝かせながら席に着くと、玄関の開く音が聞こえた。

「あら?誰かしらね?」

は手を止め、イソイソと玄関に向かう。




、帰ったぞ。」

「あらセブルス、珍しいわね、あなたが休暇中に帰ってくるなんて!」

「帰ろうが、帰るまいが、私の勝手だ。」

「・・・・・・・・・・・あなたはどうか知らないけど、私はセブルスに会えないのは、寂しいわ・・・・」

は最愛の人の余りに素っ気ない受け答えに、思わず本音が出てしまった。
スネイプは、そんな妻の意地らしい姿に痩せ我慢の枷が取れて、をきつく抱き締める。

「長い間留守にしてすまなかった。我輩も、が恋しくなる。何度、の夢を見たことか・・・・」

「ちょっ・・・・セブルスッ!?」

はスネイプに抱き締められてから、自分の言動がこの場に不適切だったことに気付いた。が、スネイプは止まらない。

「一度帰ってくると、もうの傍を離れられなくなってしまいそうなのだ。」

「・・・・・あのねっ?おきゃっ・・・・(くさまが来てるんだけど・・・)」

「寂しい思いをさせてすまなかった。その分今日はゆっくり愛して進ぜよう・・・」

「セブッ、んーーーーーーっ!!!」

スネイプはの後頭部と腰を優しく強引に引き寄せ、深く口付けする。
このまま寝室へ直行しそうな勢いだったので、はやっと解放された口で現状を説明する。

「はぁ・・・・・セブルス、私も今すぐ愛されたいのは山々だけど、今日はお客様がいらしているの。」




「あのっ・・・・お邪魔してます、スネイプ先生・・・・」




三人はヒョッコリとドアから顔を出した。

「貴様らっ??!!!何故貴様らが此処に居る??!!」

「私がご招待したのよ!この間、ホグワーツに顔を出した時に、仲良くなって。」

「すいません、さんスネイプ先生。私達、お暇します・・・・」

「何言い出すのよ、今更帰るなんて!みんなは荷物持って来ちゃったんだから、気にしないで意地でもここにいなさい!
ほら、セブルスもっ!そんな凶悪な顔しないの!
調度これからディナーだから、大勢で楽しく食べましょう!!」








荷物を置いてきたスネイプは苦虫を100匹は噛み潰した顔をして席に着く。
ハリー、ロン、ハーマイオニーはこんなにも居心地の悪い夕食は初めてだった。
食事が始まっても、会話一つ弾まない。
堪り兼ねたは、奥の手を持ってきた。

「セブルス、いつまでも顰めっ面してないで、折角のハンサムが台無しよ?・・・・ねえ、乾杯しましょう!」

はスネイプにワインの入ったグラスを渡す。

「ブルゴーニュのコート・ドール、88年物よ?セブルスのお気に入りでしょ?」

スネイプは一口吸い込む。

「・・・・・・・・・・・うまいな。」

「よかったわ!さあ、もっと飲んで!」






に勧められるままグイグイとワインを飲むスネイプ。
なんだか、口数も多くなってきた。

「ハリー、君はジェームズにそっくりだよ!憎らしいが、素晴らしい!良い生徒だ!」

「ロン!もっと自分に自信を持ちたまえ!君は兄達に負けない、素晴らしい魔法使いなのだから!」

「ハーマイオニー!君は優秀すぎるよ!レポートはいつも完璧!実技も申し分ない!だが、もっと遊んでもいいのではないかね?」

酒が回って陽気になるスネイプ。
方や、スネイプの豹変ぶりについていけない三人。
は三人にこっそり話す。

「彼、普段はこの性格を押さえ込んでるのよね・・・。だから、偶に発散させてあげないと!」

このままずっと陽気なスネイプだと、対処できなくて不安そうな三人。

「大丈夫よ?一時間ぐらいしたら、疲れて眠っちゃうから。」

の話どおり、スネイプは一時間もするとソファで眠りこけてしまった。

「ちょっとベッドまで運んでくるから。」

はスネイプを浮かせて、二階へあがる。






「スネイプって酔うとあんな風になるんだ?!」

「普段のスネイプとは大違い!ビックリして言葉も出なかったよ!!」

「あれは本心なのかしら?」

「本心よ?」

はいつの間にかリビングに戻っていた。

「いつも言っているわ。
『ホグワーツの生徒達を間違った道に進ませちゃいけない。それを阻止するのが我輩の役割だ』って。不器用な人だけど、生徒が嫌いなわけじゃないのよ?」

は温かいココアを三人に振舞いながら微笑んだ。








片付けものと、シャワーを済ませたはベッドルームのドアを静かに開けた。

「・・・・・・・・・・子供達はもう寝たのか?」

「あら、起きてたの?」

「もう酔いは醒めた。」

「あの子たちは寝たわよ、明日の夕方頃までは起きないわ。」

「・・・・・・・用意周到だな。」

「セブルスの妻ですから。」

はスネイプの隣に腰をかける。

「・・・・・・ごめんなさい、あなたに日付を言わないで生徒を家に招待して。」

「構わない。我輩がを構って遣れないのにも原因がある。」

セブルスは微笑むとの頬に手をやる。
はうっとりとセブルスの手に頬を預けると、月に目をやった。


「・・・・・綺麗な月ね。」

「・・・・・さて、お喋りはこれくらいにして・・・・、今日はゆっくり愛してやると言ったのを覚えているな?」

「・・・・・・・・・・・・・・・ゆっくりっていうのは、必要以上に焦らしたり、刺激的な愛撫を繰り返したりすることではない、ということは分かっているかしら?」

「我輩のゆっくりは、快楽の入口でに無理矢理足踏みさせることなのだ。」

スネイプは意地悪く微笑むとと唇を合わせた。













☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
いかがでしたか?夫婦ネタでした。
今回のミニ連載では、さんとスネイプの出会いから現在までの粗筋を書いてみました。
「スネイプ夢なのに、スネイプ全然出てこないじゃん!!」
という叫びが聞こえてきそうですが・・・・・
結局、逆ハーみたいな・・・・
すいません、他のエピソードも書く予定です。
期待して (?) 待っていてください。
ここまで読んでいただいてありがとうございました。
























さて、夫婦といえば夜の営みですね! (え
実は、さんがスネイプに愛される小説がこの後に存在します。
ですが、裏です。
裏とは義務教育を終えられた大人の方専用の自己責任スペースです。
性描写などの過激な表現が含まれた小説です。
折角ここまで読んでくだっさっても、義務教育を終えられていないお客様はスルーしてください。
・ 義務教育を終えた!
・ 自己責任で裏を読める!
・ 性的表現どんとこい!
・ この夫婦ネタが気に入りました!
・ スネイプに愛されたい!
というお客様は、心の準備が出来ましたらこちらからどうぞ☆